電脳遊戯



「ああなりたくなかったら早く逃げろっ!」


手近な参加者たちに向かってそう叫びながら、スポーツマン風の方の警官が空間の中を疾走する。


その向かう先では、技術者風の方の警官が、難しそうな顔をしてしきりにブツブツと呟いていた。


「う〜〜〜ん。アレが外部爆発(エクスプロージョン)ですか。まさかこの目で見ることになるとは………。」


「レイジっ!!」


その外見を裏切らない凄まじいスピードで部屋を駆け抜けてきた長身の青年が、技術者風の方に向かって叫ぶ。


レイジと呼ばれた青年は、眉を微妙に少しゆがめて長身の青年を見やった。


「……あのね、ショウ。僕の名前は礼二郎(れいじろう)だと何度言えば………」


レイジの言葉は、しかし、全部言わぬ間に中断を余儀なくされた。


ショウと呼ばれた青年がレイジの襟をつかみ、まるで空港の荷物係がアタッシュケースを粗略に扱うような具合に、床を滑らせながら彼を投げたのだ。


声にならない叫び声をあげながら、幕タイプのディスプレイの下をすり抜けて空間の外へと滑っていったレイジ。


参加者たちは半ばパニック状態になりながらも、何とか幕をくぐり抜けて空間の外へ逃げ出してゆく。


そして、空間内に残ったのは、倒れている五人を除くと、アスカとショウのみとなった。





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