電脳遊戯



「アス………カ……?」


ユッコは、警官の言葉を聞いてから嬰児のように泣き叫び出したアスカの只ならぬ様子に戸惑っていた。


この「クスリ」の売人として今まで数百人に売りさばいてきた身である。時折見られるこのクスリ特有の異常反応にも、冷静に対処出来る自信はあった。


………だが、アスカのこの反応は、あまりに常軌を逸していた。


ただ単に、この大人し過ぎる少女に、ちょっと強引な手を使ってでも、恋愛の楽しさを教えてあげようとしただけなのに…………!


(……ホント、あまりに「変な裏目」が出ちゃったわね〜〜…………。)


ユッコは、助けを求めるように周りを見渡したが、パーティー参加者の男女は皆オロオロするばかりで役に立ちそうにない。


だが、諦めかけた時、例のスポーツマン風の警官がこっちをじっと見つめているのに気がついた。


「ちょっとアンタ!見てるだけじゃなくて手も貸してくんない?」


腰の左右に拳を当て、バストを強調するようにズカズカと警官に歩み寄るユッコだったが……。


その警官は、彼女のその態度を半ば無視して、スッとアスカの方を指差した。


そして、


「…………もう遅い。」


初めて口を開いたのだった。


「………えっ?」


その指に導かれるように、ユッコがアスカを見た時………。




彼女の「思考の旅」が、一番最奥に達したのだった─────。







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