「…」 こっちだったか。 ゆうが上機嫌で私に手を振り、私のカバンが置いてある席の隣に、あいつが笑顔で座っていた。 嫌な予感は、簡単に片付けてはいけなかった。 私は小さく息を吐きながら、重い足を引きずりながら席に座る。 「先輩席探してたから誘ったんだ。いいよね、ちぃ」 「…いいんじゃない?」 「ありがと。優しいね、佐伯」 嫌味か。 じろ、と一瞥を送り、私はお茶を口には運ぶ。 ゆうは嬉しそうににこにこしながら、あいつに話しかける。