「あれ、なんで岸が水持ってんの??」
「下で佐伯と会ってさ。手伝い」
合宿棟の部屋は、食べ散らかされ、潰れた缶やペットボトルが散乱し、ひどいことになっていた。
潰れた人や、力尽きた人が倒れこんでいる。
言うまでもなく、ゆうもその中に混じっていた。
部屋にある時計を確認すれば、深夜二時近く。
リタイアが出ても、仕方ない。
会長は財布を手に近づいてくる。
「サンキュー、佐伯。一本150だろ?ほい、500円。50円はお駄賃な」
「…どうも」
投げられた500円玉を受け取って、財布にしまう。
あいつにかけられた迷惑料がわりとして、素直に50円は頂戴した。


