きまぐれアヒルのヒトリ詩



僕は空っぽの小瓶をもってきて

水面に映る月につっこんだ。

『小瓶をよぉく見てて?』

そう前置きして、小瓶を一気に空に掲げた。

水の満ちた小瓶の中で月が揺れる

『ほら、こぼれないよ』

掲げた小瓶ごしの月は

落ちることなく、そこにある。

『きれいだね』と君の声を聞いて

小瓶を桶に傾けた。

桶の中の水を、小瓶の水がかき混ぜる

小瓶の中が空っぽになると

桶の水面も静かになって

きれいな月がまた映る

『ほしいものは手に入った?』

君は静かに微笑んだ。