廉side


転校してきて何日もしないで、あの“つかさ"が成瀬であることが確信できた。
あの日、あのカフェで、辛そうに話してくれた過去のこと。
それが、俺の過去と全て繋がった気がしたんだ。
小3の夏以降手紙が来なかったのは、あいつが事故に遭い記憶を失ったから。
だから俺の名前を言っても何も反応しなかったんだ。
それにあいつが言った星形のネックレスは、確実に俺があげた物だ。
だから、成瀬=つかさと繋がった。
あっちは俺がその“廉"だと気付いてないけどな。


「ただいまー」

「あぁ、廉!おかえり!」

「か、母さん…?なんでいんの」

「明日の夜まで仕事ないのよ!というか、どこ行ってたのよーこんな時間まで!」


玄関に入った瞬間、勢い良くリビングから母さんが飛び出してきた。
いつも仕事でいない母親がいることにビックリ。
つか、こんな時間といってもまだ10時だぜ?
普通ならまだ遊び歩いてるっての。
俺は靴を脱いだらすぐに、母親に腕を引っ張られ、無理矢理リビングにつれてかれた。