「…ママ…」 どうして…… どうして今更そんなこと言うの? わたしは、ママに何もしてあげられなかったのに。 どうして、ママはそんなに私のことを想えるの? 「…由梨は…ママみたい…に、弱くならないで…。人の心を分かって…あ…げ…られる強い…大人になりなさい…。ママのところに産まれてきてくれて…ありがとう…」 …そして、ママの添えられていた手がずるりと落ちた。 それは…ママの死を表す決定的な瞬間だった。 …20XX年の8月15日、午前10時10分。 わたしは、犯罪者になった。