だから目を閉じる




汗にまみれ光る
あなたの広い背中。
眩しくて
セクシーで
匂い立つ色気。

生活に精一杯で
色んなものにまみれた私は
自信がなくて……。

あなたが私を見つめ
「綺麗だよ」と言ってくれても
自信がなくて……。


愛されているとわかるまでに
随分と時間がかかってしまったね……。



あなたの広くて愛しい背中。

あの日
恐る恐る手を這わせた背中。

恋い焦がれ
いつも見ていたその背中。


あなたの背中が
目を閉じると
すぐそこに……。



「本当は会いたい。」

無駄に大人だから
そのたった一言が
言えなかった私。


「あなたに逢いたい。
逢いたくてたまらない。
ずっと一緒にいたい。」

だから私は目を閉じる。



強く強く目を閉じる。