「・・・・・・実は俺、昨日、りんに言われたんです。抱いてほしいって・・・俺だって、りんに無理だって言いました。でも・・・りんが・・・」

「梨花がどうしたんだよ、聡・・・」

そう言った俺に聡が言った。

「・・・りんが信じてくれない・・・俺がりんのこと大事に思ってること・・・好きなら抱いてほしい、抱いてくれないなら治療は受けないって言われた・・・俺が悪いんだ。りんのことを抱いてやったことがなかったから・・・りんと付き合うまで女なんてって思って、好きでもないやつを抱いたりしてたけど、りんと付き合って、大事にしたいって初めて思って・・・俺が他の女を抱いたことがあるのを知ってるのに、りんのことを抱いてやらなかったから・・・りんを不安にさせて・・・」

「聡・・・」

「なぁ翔、俺、どうしたらいい?どうしたらりんが幸せになれる?どうしたらりんが残りの時間を笑顔で過ごせる?」

聡は、そう言って俯いて何も言わなくなった。いや、言えなかったんだろう。
肩を震わせて、聡は涙を流して泣いていたんだ。