「ま。そういうの、アンタらしいけどね」 「え? どういう意味」 軽く笑みを零した憐くんに疑問を投げかけた、その時だった。 「そいつから離れろォーーー!」 巨大な叫び声と共に、向こうの方から黒い何かがこちらに向かって猛スピードで駆けてくる。 「何あれ」 私は冷静に呟かれた声に首を傾げると、段々大きくなっていくその姿をじっと見つめる。 ん……? 何、どういうことなの? 強く目を擦って、再び影を見つめてみる。 ……あれって、まさか――!?