転校生は憧れの人




「憐くん、ホントにいいの?」


「何が?」



チラリと憐くんの手元を見る。


やっぱり、2つも持ってもらっては申し訳ないと感じた私は、静かに呟いた。



「荷物。1つ持つ――」


「心配しすぎ」


「え?」



憐くんの声によって突如遮られた私の言葉。


そんな彼の声に、私は疑問符を浮かべる。



「俺だって男なんだし、これくらい平気だから」


「そう、だよね」



言われてみるとそうだ。憐くんは男の子だから、私なんかよりも断然力あるもんね。


しかしながら、はっきりとそう意識すると何だか恥ずかしくなる。


私は目線だけ憐くんに向け、「ありがとう」ともう一度お礼を言った。