転校生は憧れの人




ドクン。


急に軽くなった両手。


咄嗟に顔を上げて、憐くんを見る。



「あ、ありがとう……」


「別に」



憐くん、優しすぎるよ。


まだ再会したばかりなのに、憐くんの些細な優しさに触れると、前よりももっともっと惹かれていく。


何でこんなにドキドキさせるの……?


拍動を刻む速さが、どんどん加速していくのを感じた。



「じゃあ、行くか」


「うん」



私はそう返事すると、先に歩き始めた憐くんの背中を追って歩き出した。