転校生は憧れの人




「い、いいよ! さっきだってカゴ、持ってもらってたし」



そんな甘えたことできないもん。


私は必死に抵抗し、慌てて袋を持ち上げた。



「……っ」



――のだけれど。


私にとってそれは重すぎて、堪らずすぐにおろしてしまった。


……や、やっぱり、1人じゃ無理か。


そりゃそうだよね。いつもは2人で持っているものを、1人で持つというのは、流石に無理がある。



「だから持つって言っただろ、バカ」



俯く私に息をつくと、憐くんは私の手から袋を奪ってみせた。