転校生は憧れの人




――……



数分後。



「着いたよ」



そう言って、私はいつも買い出しをしているコンビニに入っていく。



「えっと、23人だよね」



1年生6人、2年生7人、3年生が確か10人。


頭の中で計算し、ハンディパックに入ったスポーツドリンクを憐くんが持ってくれているカゴに入れる。



「ありがとうございました」



会計を済ませると、それらをビニール袋に詰めていった。


そして、2つにまとまった袋を持とうとした、その時。



「持つよ」



囁きのような、優しい声がポツリと響いた。