転校生は憧れの人




――……



「……」


「……」



――シーン。



校門を出てから、約5分。


さっきから、しんとした空気が私達の周りにべったりと貼りついている。


小さな足音と虫の飛ぶ音だけが、虚しく響く。そんな、最悪の空気。


その間も、私の心臓は煩くなりっぱなしで。


どうしよう。どうしよう。どうしよう! すっごく気まずいよ~。


何でもいいから話題をださなきゃ!


そう思った私は、どうにかこの嫌な空気を打ち破るべく、必死に思考を巡らせる。


……そういえば。


私ははっと思い出すと、控えめに口を開いた。