転校生は憧れの人




「じゃあ、行く?」


「え、行く?」



突然投げかけられて、びっくりする。



「買い出し。行かないの?」


「買い出……? あっ!」



私がそう、頓狂な声を上げると、憐くんは突然フッと笑い出した。



「一ノ瀬、忘れてただろ。買い出し」


「わ、忘れてないよ!」



うぅ、笑わなくてもいいのに。


咄嗟に反応できなかっただけで、ちゃんと覚えてるよ……。



「で? どうすんの」



憐くんがそう言って私を見るから。



「行く!」



私は満面の笑みでそう答えた。