転校生は憧れの人




「行こっか、憐くん」


「ああ」



先生に返事をしてしまった以上は、もう引き返せない。


鍵を受け取った私は、ひとまず倉庫に行くことにした。



――……



「 ここが倉庫だよ。 それで、この一番長いのが倉庫の鍵」



憐くんを倉庫の前まで案内すると、私はいくつか束になった鍵の中から一つを選び出す。



――ガチャ。



早速鍵を開け、サビのせいか重たいドアをゆっくりと開いた。


年季が入った倉庫は、やっぱりちょっとホコリっぽい。



「ボールとかコーンとか、練習に必要なものは全部ここに揃ってるの」


「ふーん」



頷く憐くんは、目の前のサッカーボールを触りながら倉庫全体を見回す。