転校生は憧れの人




「ご、ごめんななずな! 俺のせいで……」


「……ううん」


「そーそー、吉野のせいだから」


「っ!」



深く頭を下げた吉野に、ばっさりと言い捨てた。


瞬時に顔を上げた彼と目が合えば、その表情は唖然としていて。



「だ、だから、誠心誠意お詫びの気持ちを込めて心から謝ってんだろ!?」


「どこが? 全然足りない」


「くっ……怜佑ぇ〜、お前も何とか言ってくれよ!」


「はぁ!? 俺を巻き込むなや」



吉野の必死の訴えは、チャイムによる一時休戦の合図まで暫く続いた。


いつもと同じ、騒がしさ。


滝川と吉野の叫び声に、椎名の呆れ声。そして、一ノ瀬の笑い声。


……この生活、悪くないかも。






―END―