「……怜佑、ありが――」
「何絡まれとんねん! お前、俺がたまたま通りかかってへんかったら、どうするつもりやってん」
感謝を述べようとしたその瞬間、あたしは激しい叱咤の声を浴びせられてしまった。
「べ、別にあたしだって、好きで絡まれたわけじゃ……」
な、何で怒ってるのよ、怜佑。
せっかく、お礼言おうと思ってたのに……。
「はっ。お前のことやから、どうせまたボケーッとしとったんやろ」
「なっ!」
悔しいけど、図星。
あたしは何も言い返せない。
「……大体なぁ、そんな格好して一人でふらふらしとったら、こっちから“ナンパしてください”言うとるようなもんやろが。わからんのか」
「……っ」
そんな格好?
……怜佑、ちょっとはあたしのこと見ててくれたんだ。
そう思った途端、ほんと単純かもしれないけど、
嬉しくて堪らなくなった。



