「あれ、吉野くん何してるんだろう?」 憐くんが席に着くなり駆け寄る、吉野くんこと吉野夏樹(よしの なつき)。 彼は憐くんの前に立つと、どこか落ち着きのない様子で妙なほど大きな身振りをとっている。 そんな彼の様子が、私は気になって仕方がなかった。 「行ってみる?」 「う、うん」 「ナツ、憐くん、おはよう」 早速元気よく挨拶をする梓ちゃんについて、私は2人に近付く。 「梓となずなじゃん。オッス!」 すると吉野くんは、太陽みたいな明るい笑顔で私達を迎えてくれた。