転校生は憧れの人




「それ、滝川くんの方じゃない?」


「……怜佑?」


「うん、絶対そうだよ! すっごい不機嫌そうだったし」



梓ちゃんにあたるあの態度。


アレは間違いなく、嫉妬してた!



「ないない! アイツが不機嫌そうなのは、いつものことだし。ってか大体、あんなバカで鈍感で子供な怜佑が――」


「梓……誰がバカで鈍感で子供やって?」


「れ、怜佑! 違っ……」



滝川くんを纏う、不穏なオーラ。


う、うわぁ、これは相当怒ってる……。


私達は、その恐怖から互いに手を握りあった。



「聞こえとんじゃ、ボケぇ!」



知らず知らずに大きくなっていた梓ちゃんの声は、滝川くんに大きな怒りをもたらしてしまったようだった。