転校生は憧れの人




憐くんと滝川くんに挟み込まれてしまった吉野くんは、最早逃げ場のない状態。


そんな彼に、問答無用で厳しい指導が入る。


とは言え、何だかんだでやっぱり仲の良い3人に、私は頬を緩めた。


私も勉強しよう。


そう、教科書を開いた矢先。



「なーずな」



耳許で声がして、私は咄嗟に振り向く。


目に映った梓ちゃんは、何やらうっすらと笑みを浮かべている。



「王子、妬いてたね」


「え!?」


「ナツがくっついてた時、めちゃくちゃムッとしてたよ?」



何言ってるの、梓ちゃん! そんなわけないよ!


私は全く予期していなかった梓ちゃんの発言に、露骨に驚いて見せる。



「梓ちゃんの気のせいだって」


「えー」



だって、いつそんな素振り見せたっていうの?


いくら考えてみたって、見当たらない。


……というか、それを言うなら――。