「一ノ瀬」 「へ?」 突如名前を呼ばれ、ピクリと反応する。 な、何? 「おいで」 ……え。お、おいで? ちょ、憐くん、突然どうしたの!? まっすぐと私を見る、綺麗な眼。 私の心臓は、ドクドクと大きく脈打っていく。 「場所、変わってくんない?」 「……あっ」 な、なんだ! そういうこと……。 そっか。吉野くんを指導するため、だよね。 一人で緊張してた自分が、とてつもなく恥ずかしい。 「うん」 私は立ち上がると、恥ずかしさを隠すように俯きながら憐くんと場所を入れ替わった。