転校生は憧れの人




「ねぇ」



すると突然、どこか低い憐くんの声が響いた。



「何意地張ってんの? 今回落とすとマズいんでしょ、成績」
 

「っ! な、何故それを」


「職員室に行った時、たまたま聞いた」



憐くんの声を聞いた途端、吉野くんは一気に崩れ落ちた。


一方、ズーンと沈んだ彼を横目に、憐くんは全く表情を変えずにいる。



「はーん、そういうことやったんか吉野ォ。ほんなら、遠慮なくしごいたるわ。……梓、ちょっとそこどけ」


「え?」


「ええからどけ言うとんねん」



滝川くんはそう言うと、少し強引に梓ちゃんの腕を掴み自身の後ろに引っ張った。



「……何よ」



そんな滝川くんの背中に、彼女は小さく呟いた。