「梓……なずな……もしかして、“あのこと”言っちまったのか?」
じろりと舐めるように見られ、ぞくっと背筋が凍る。
「いい、言ってない、言ってない!」
梓ちゃんの言葉に合わせて、私は全力で首を横に振った。
その横で、溜め息が一つ聞こえ。
「……教えたるわ、吉野。昨日“コイツ”が妙にソワソワしとったから、何やおかしいなー思て問いただしてみたんや。……そしたら何、吉野と勉強会する? なーんで俺等も誘ってくれへんかってん。なぁ、高月?」
「そうそう。……どういうつもり?」
しょんぼりと縮こまった梓ちゃんを指差しながら、滝川くんはまくし立てる勢いで話す。
続いて、憐くんの鋭い一言。
冷酷な雰囲気。
多大な威圧感。
「わ、悪かったよ! ほら、皆早く入れ!」
それに負けてか否か、吉野くんは大きく叫んだ。



