転校生は憧れの人




そろそろ……だよね? 何だかますます緊張してきた。


そういえば、今どこまで進んでるのかな?


そう、気になって薄目を開けた瞬間――。


……わっ!


鼻腔をくすぐる爽やかな香り。


目の前に影が出来たかと思えば、落合くんの整った顔がすぐ近くまで寄ってきていて。


驚いた私はバッと咄嗟に目を見開く。


び、びっくりしたー!



「一ノ瀬さん」



へ?


そんな時、私を呼ぶ囁きのような声。


「何?」と小さく返すと、落合くんは「出番だよ」と優しく微笑んだ。


……出番? 何のこ――。