「良かったじゃん」 私が追い付いて早々、彼はそう投げかける。 「良かった?」 「似合うって言われたんでしょ、落合に」 ……え? 私は驚いて憐くんを見、それから小さく頷いた。 「……うん、でもそれはきっとお世辞で――」 「俺も」 「……っ」 真っ直ぐな瞳に捕らえられる。 時を刻む度に速くなる鼓動。 それは、グラウンドに響く運動部の声までも掻き消してしまうように――。 「俺も、一ノ瀬なら出来るって思ってるから」 そんな声が、私の耳をいっぱいに埋めた。