――……
「起立、礼、ありがとうございました」
「ありがとうございました!」
終礼が終わり、机に突っ伏す。
幸せ気分から一転、奈落の底へと突き落とされた私は、いつもよりも数十倍1日が長くて長くて仕方がなかった。
授業もまともに聞けず、ノートは真っ白。
終始机に張り付いていた私が、一度も先生に当てられなかったのが、唯一の救いだろう。
……ノートは梓ちゃんに写させてもらおう。
そう決めた私は、そろりと席を立ち上がった。
「梓ちゃん、悪いけどノート全部貸してくれないかな?」
「珍しいね。……はい」
「ありがとう!」
感謝の言葉を述べ掃除当番の梓ちゃんに手を振ると、私は荷物をまとめて教室を後にした。



