「ここで、いいよ」 止まった先は、一階の渡り廊下。 ここはあまり人気がなく、風の音ばかりが響いている。 「あのさ」 「……何?」 「もうわかってるかもしれないけど、私前から憐のことが好きなんだよね」 「……」 ここに来てすぐ。 そんなことをサラリと言ってのけた弥生ちゃんに、私は何も返せず黙り込んでしまう。 この人、やっぱり憐くんのことが本気で好きなんだ。