転校生は憧れの人




――……



「なずな、部活行こー!」


「うん」



放課後。


私が荷物をまとめていると、いつものように梓ちゃんが席まで迎えにきてくれた。


今日は雨でグラウンドは使えないから、校舎内で筋トレをする予定。


雨の日はだいたいそう決まっている。



「最近なずな、部活楽しそうだよね」


「そ、そうかなぁ」


「もう、前より断然!」



ニヤニヤと笑みを浮かべながら、梓ちゃんは私の顔をじろじろ見てくる。


何か凄く恥ずかしい。私、そんなにわかりやすいのかな?


何だか、顔の辺りが熱を帯びるのを感じた。



「なずなちゃん!」


「……っ!?」



びっくりしたー!


突然呼ばれたためか、身体がビクッと反応する。


……誰だろう?


そう思って振り返った、その先には――。