「届いたらあげる。届かないだろうけど」


「届くわけないじゃんかー!!」



ジャンプしてみれば、ギリギリ届きそうになるものの、それに合わせて、空くんも手を動かすから、かすることさえしない。

空くんはそんなあたしを見ると、意地悪な笑みを浮かべて。



「はい、時間切れー。この牛乳は俺のだな」


「うっ……」


「いただきます」



そしてそう言うと、空くんはストローを刺して、口に運ぶ。

そんな空くんを見て、あたしがムッとすれば、空くんはフッと笑って。



「ウソウソ。ちゃんとあげるから」


「えっ……」


「飲みすぎで腹痛になるなよー」