急いで3-2の教室に向かう。

今まで上級生がいて通りづらかった一階の廊下を踏むのは、とても気持ちよかった。



ガラッと音を立てて明日香がドアを開けると、すぐに啓ちゃんと京吾くんの姿を見つけた。


「おーっ!明日香!美園ちゃん!」


京吾くんが机の上に座りながら手を振った。

あたしたちはすぐに駆け寄る。



そして啓ちゃんのキラキラの目が、あたしを見た。

もちろんあたしもつられてニヤけて、目がお星さま。


「美園ー!」

「啓ちゃんっ!」


そのまま駆けていくと、


「啓ちゃ…、きゃっ!」


「やったぁー!」って言いながら、がばっと抱きつかれた。


「嬉しい」

「うん、あたしも…」


でも…


「朝から見せ付けるね~」

「ちっ!!違っ!!」



ここは学校だよ啓ちゃん!!

アニキアネキカップルに冷やかされて、朝から顔がゆでだこだ。


啓ちゃんは相変わらずきょとんとして、後ろからあたしの肩に手をおいて、頭にあごを乗せてルンルンしている。



まぁいっか。

久々の制服姿もかわいいし、なんたって、なんたって!

これから卒業までずっと同じクラスなんだもん!