「え、ホントに?!」

「うん。啓ちゃん一人にさせたら不安だしね。たいした物作れないけど…何がいい?」

「オムライス!オムライスにしよ!」

「オッケー。じゃあ、啓ちゃんのはお子様ランチ使用にしてあげるっ」

「お子様じゃな~い!」



てなわけで、今日は啓ちゃん家で、クッキングする事になりました。

メニューはオムライス。



あたし達はスーパーで材料を買って、啓ちゃん家のマンションへ向かった。

5階。チン。



「美園、俺手ぇいっぱいだから、美園の鍵で開けて」

「あーっ、はいはいはい」




あたしは慌てて、鞄のポケットを探る。

そして、空色の鍵を取り出し鍵穴に差し込んだ。




ガチャっとドアが開き、部屋に入るとポポが嬉しそうに吠えた。

あたしは荷物を置きながら、「お~、よしよし」とポポの頭を撫でた。



「すぐ作るから、待っててね」



あたしが早速キッチンに向かうと、啓ちゃんは居間でちょこんと立ってあたしを見ている。


「本当に、俺、なんもしなくていいの?」

「いーの!啓ちゃんはポポとテレビでも見てて」




そう言うと啓ちゃんは、えへへと笑って、「は~い」と返事してソファーに座った。

さて!あたしは腕を振るいますか!