何だかんだで電車に乗り続け、駅から歩いて3分。

大型の家具屋さんが見えてきた。



あたし達はうきうきしながら、お店に入った。



「うわぁ」



お店に入った瞬間に、沢山の胸くすぐられるような、オシャレな家具が沢山並んでいた。


あたし達は興奮しながら、中に入っていく。




一階スペースは、主に寝具。

色んな寝室を想定して、コーディネートごとに小さな部屋が沢山作られていた。




「啓ちゃん、啓ちゃん!このベッド可愛い!」




あたしが気に入ったのは、白雪姫に出てきそうな白い可愛いベッドだった。

そこには、可愛らしくハートのクッションが置かれている。



あたしは思わずベッドに座って、クッションを抱いた。

すると啓ちゃんが横に座った。



「お姫様みたいだね」



そう言って笑った啓ちゃんに、そのベッドが妙にマッチしていて、あたしはつい立ち上がって、手でカメラのフレームを作った。



「本当、お姫様みたい。啓ちゃん」




すると啓ちゃんは、ぷくっと口を膨らませて、あたしのカメラフレームをじゃれる猫みたいに攻撃した。


あたしはおっとぉ、と体を離した。




「姫じゃないし…」



あ、その顔、本当に写真撮りた~い!



やっぱ、男の子は可愛いって言われても嬉しくないもんなのかな。

でも、あたしはいつも思っちゃうけどね。




啓ちゃん、可愛いって。