未来に種





「……家での、睡眠時間は?」

「ああ…。……寝てない場合は、ゼロですよね〜」

「寝てないのね?」

「はい〜」




瞼が落ちてくる。



「……ここでセンセと話してたら寝れるから…」

「ベッド、使いかなさい?」

「センセ、何か話してて?」





声が聞こえなきゃ、眠れない。




「……話し、ねえ。そうだ、授業の単位は大丈夫?」

「まだだいじょぶ…」

「転校して来てから、どれくらいだっけ。1ヶ月くらい?」

「ん〜……」

「まあ、まだ大丈夫だろうけど、単位だけでも取らなきゃダメよ?」

「……」




センセの声、落ち着く。


ふわふわ、と浅い眠りに落ちた。