未来に種








す、と。



彼女は瞳を閉じた。




何もかもを包み込むような、笑みを浮かべていた。








「(マリア様ってのが、本当にいたら。)」





こんな風に笑うんだろうか。













彼女の声を聞いたのも、笑った顔を見たのも、これが最後だった。



















結局上からの保護の許可は下りず、彼女を家に帰した。



そしてその2日後。





睡眠薬を過剰摂取して、彼女は亡くなった。



色んな人を、困らせて、泣かせて、苦しめて。