未来に種





「神田、」

「はい?」





春海さんに呼ばれて、部屋の隅に移動する。




「逮捕は出来ん。証拠がねえんだ。」

「……分かってますよ。」

「でも家に帰したりしたら自ら死にかねん…」

「……保護、続けますか?」

「生憎暇じゃねえんだよな、ここも。」




いったい、春海さんは何が言いたいんだろうか…



「お前、話を聞くって名目であの子に付け。食事、睡眠、質問の答え。全部、管理しとけ。上には俺が話通すから。」

「えええー……」

「あ゙?文句あんのか?」

「イエ……」





春海さん、怖いっす。


てか、あの子苦手なんだけどな…





「動機を聞けよ。」

「……はい。」

「お前なら出来る。」




困ったように笑ったままの表情を続ける彼女は、自分のことを話してくれるだろうか。