「なんでもないです。」 ふわりと彼女は笑うけれど、僕らは笑えなかった。 春海さんの視線が僕のほうに向くのが分かる。 「(なんだ、この子。病んでんのか。)」 「(知りませんってー。)」 「(精神疾患ってやつか?)」 「(さあ…)」 視線だけで会話するけど、どうもなー。 彼女には見透かされてる気がする。 やっぱり、苦手だ。 それから二日間。 彼女は水を仕方なさそうに飲むだけで食事も睡眠も取らなかった。