未来に種





―――――


「待ってよ…ノノ、わかんないよ…?」

「あたしね、ノノって名前じゃないの。」




たくさん、ウソついてごめん。



「アヤノ、って読むんだ。」

「じゃあ、話を聞くから。」

「ハイ、」

「待ちなさいっ!ノノっ!」

「……いいんですか?」

「……ハイ。」




本当のことを、話せなくてごめん。


「ノノっ!…ノノっ!!」

「……、」




あたしのこと、友達だって言ってくれたのに…ごめん。












「――…一ヶ月前の、事件の犯人は、あたしです。」




彼を殺した、理由はね。




「とりあえず、捕まえてくれますか。」






あたしだけが、知っている。