未来に種





「分かるかな?その説明をするとね、」



聞き、たくない…な。




人が死んだ話は苦手だ。


悲しい気持ちは、苦手だ。




「男の子が彼女の部屋で首の動脈を切って自殺した、っていう事件だったんだけどさ……。」

「それがどうかしたの?」

「パパがね、納得いかないとか言って少し捜査してたの。詳しく、ね。」

「………で?」

「そしたら、彼女が行方不明になってることがわかったの!」

「…それ、って、」

「彼女が殺したんじゃないか、ってこと!」

「……」

「でも、何でよ。喧嘩したとか?別れ話をされて、とか?」

「わかんないから…彼女さんを探してるみたい。」

「ふぅん…。」

「……」

「ノノ、顔色悪いわよ?大丈夫?」

「……ん、」

「あんたがそんな話するから!ノノはデリケートなのよ!」

「あだっ!ごめんね、灰崎さん、大丈夫?」

「だい、じょふ……」