洗い終わった食器を持って食器棚にしまう。
「ね、想?」
「何?」
「いつも、本当にありがとう」
「なんだよ、急に。気持ち悪いな」
「ひどい、せっかく人が感謝の気持ちを述べて..んっ」
くいっと腕を引っ張られて唇が重なる。
「こっちこそ、いつもありがとな、奥さん」
優しい笑顔。
それがあたしだけに向けられているって思うだけで
心臓が、ううん、体中がどきどきしてる。
想が好きって体中で表現してる。
「メイ、目、瞑ってみ」
いきなり言われて何がなんだか分からないあたしは想を黙って見つめる。
「いいから、瞑れ」


