ぼうっとしていたからか、転びそうになって目を瞑った瞬間 誰かに掴まれ、転ばないで済んだ。 「大丈夫?」 田山君があたしを立たせてくれた。 「あ、ありがとう」 「いや、別に」 良かったぁ~転入早々恥ずかしいとこを見せる所だったよ。 ふうっと息を吐くと 「バカ」 小さく呟く想の声が聞こえた。 「ば、バカってそんな言い方」 しなくてもいいじゃないっ! 「田山君、すまない」 「いいんだよ、これくらい」 「こいつ、本当にバカだから」