「なんか、昔のあたし達みたいだったね」



「つかそんな昔でもないけどな」




あたし達は手を繋いで歩く。

ぎゅっと握られた手から伝わる体温。


それがあたしに安心を与えてくれる。



「赤ちゃんか」



「どうしたんだよ、急に」



想が不思議そうな顔であたしを見る。



「赤ちゃん、出来たら人の人生って本当に変わるよね」



「そうだな」



「想は変わった、よね?」



「まぁ、まさかこんな早くに出来るとは思ってなかったけど」



「けど?」



「俺はお前と一緒になるつもりだったし?」



「想…」



想の言葉が嬉しくて、つい頬が緩んでしまう。



「何笑ってんだよ、気持ち悪い」



「えへへへ」