「なるほどな」 ぽんと、肩を叩かれて振り返ると想がいた。 「もしかして田山君に教えてくれたのって、想?」 「お義母さんから連絡があったんだ。で、田山を連れて来たってわけ」 「そっか」 視線を二人に戻した。 これから、この二人は本当に大変な日々が待っていると思う。 だけど、きっと、きっと その大変さがなくなるような時も来るから。 「いこうか、メイ」 「うん」 いつまでも抱き合っている二人に背中を向けて歩き出した。