「そう言って、育てられなかった母親を私は何人も見ているわ」
「私も、最初はどうすればいいか分からなかった。こんな年で妊娠なんて。だけど、この子の声を聞いてしまったんです」
「声?」
「一生懸命生きようとしている鼓動、それを私が止めてしまうなんて、出来ません」
荒川さんの言葉に先生が一瞬目を丸くしてそれから笑い出した。
つられてなのか、お母さんまで笑い出す。
その理由はすぐに分かった。
「あの時のメイちゃんの言葉、そのまま!」
「本当ね!」
そう、あの時あたしもそう言ったんだ
思い出した。
「今の子は本当に」
「今の子だけじゃないわ、初めは誰だってそうじゃない」
「そうね、そうかもしれないわ」


