「こ、困ります」
掴まれた腕を放そうとひっぱってみたけれど、男の人の力には及ばず。
どうしよう、このまま想にも会えなかったら
「いいじゃん、どうせヒマでしょ?」
「あ、あたし暇なんかじゃないです」
掴まれた腕の力が更に強くなって益々危ない事が分かる。
「あの..」
「すいません」
あたしの声に被さるようにして想の声が聞こえた。
男の人が驚いて力を緩める。その隙に腕を引っ込ませた。
想が笑顔であたしの前に立つ。
「すみません、この子は俺の連れなので」
口調は丁寧。だけどその裏では真逆の事を想っているに違いない。
「何、彼氏?」


