そのまま体育館を出て行った二人の背中を見つめながら どうして荒川さんがあたしを睨んだのか 疑問ばかりが残ってしまった。 「コホン、コホンッ」 小さな咳が朝から続いている。 季節が変わったからかな。 天気予報によるともう梅雨は明けたらしく、これから どんどん気温が高くなるらしい。 「花、大丈夫?」 「うん、だいじょうぶ」