声のした方に視線を向けるとボールに当たったのか、荒川さんが しゃがみこんでいた。 「大丈夫?保健室に行きましょう」 「誰か、保健委員!」 その声に早奈ちゃんが立ち上がる。 「ちょっと行ってくるね」 「あ、うん」 早奈ちゃんが荒川さんの所に行き、荒川さんを起こして立ち上がる。 具合の悪いのか、荒川さんの顔は真っ青だ。 どうしたんだろうと気になっていると、荒川さんと目が合った。 鋭くて、冷たい視線。 あたしを敵に回したかのような 怒りが嫌でも伝わって来る。