あたしがうじうじしてると、想の大きく息を吐く音が聞こえた。 顔を上げて想の言葉を待つ。 「しょうがないな、行ってやるよ」 「え、いいの?」 「何処に行きたいか、お前に聞いたの俺だしな」 「想..」 ありがとうと続けようとしたけれど、それは無理だった。 唇が重なって言葉がうまく出て来なかったからだ。 「んっ..」 「ったくしょうがねぇよな」 何が?と想の顔を覗きこむ。 「それ、反則だから」 そう言ってまた唇が塞がれた。