「サタンじゃん、めっずらし―…」 私達が群がっていた男達の横を通り過ぎる時、その中の一人が私の前を歩く美少年くんを見て言った。 でも、その男は直ぐに口を閉ざした。 何故、途中で口を閉ざしたのかは解らない。 男の顔が青冷めて行く、そして振り向いた美少年くんはそんなこと気にせずに。 ポカーン顔の私を見て、にっこりと安心させるかの様に微笑んだ。 サタン その言葉も、いつの間にか頭の中から放り投げられていた。 そして私はただ、美少年くんの影に隠れながら歩き続けた。